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2012年 02月 29日

第1回〜退蔵院ふすま絵プロジェクト〜

京都市右京区に臨済宗の大本山である「妙心寺」がある。日本最大の禅寺としてもよく知られているこの妙心寺。
その妙心寺の塔頭の一つに
「退蔵院」がある。
約600年もの歴史を持つ退蔵院が今、ある一つのプロジェクトを立ち上げ、取り組んでいる。
それが「退蔵院方丈襖絵プロジェクト」である。
このプロジェクトをものすごく簡単に説明すると、退蔵院本堂の襖(ふすま)に若手芸術家が水墨画を描くというものである。
その昔、「絵師」達は寺社や武将達に雇われ、そこに住み込みながら襖絵や屏風絵など数々の傑作を残してきたそうである。その作品達が今や貴重な文化財となり、現代の僕達へと受け継がれているわけである。
しかし、このような文化財はどんなに保存状態を良くしようとも、時間の経過と共に劣化していくのは避けられない。これは形あるものの宿命である。
それ故に、文化財の劣化や損傷をなるだけ防ぐために、陽の当たらないところで大切に保管し、普段は複写したものや無地の襖を入れているという寺社も珍しくない。
退蔵院も例外ではなく、約400年前に狩野了慶が描いた襖絵(重要文化財)も普段は取り外され、保管されている。
しかしこのような形式をとってしまうと、後世に受け継いでいける様な文化財は生まれないし、それを創り出す芸術家も現れない。
そう考えた退蔵院の副住職の松山さんは、文化財を生み出すということと、若手芸術家の育成を目的にこの「退蔵院方丈襖絵プロジェクト」を考え出したそうである。
実際に退蔵院に絵師を住まわせ、精神修養を重ねながら襖絵の制作を行ってもらうこのプロジェクト。
その制作期間は3年間である。

絵師は公募によって選ばれたそうだが、栄えあるこの絵師に見事選ばれたのが村林由貴さんだ。(ホームページはこちら
村林さんはまだ若干25歳。しかしその緻密で繊細な画力は見事なもので、独特の世界観を築いている新進気鋭の作家さんである。
彼女は既に退蔵院に住み込み、様々な修練を重ねながら今まさに襖に命を吹き込んでいる最中である。完成は2013年の秋を予定している。

ところで、僕がこの「退蔵院方丈襖絵プロジェクト」に一体どんな関わりがあるのかというと、作家である村林さんの制作から完成までを写真に収めさせて頂くことになったのである。
村林さんという人間が作品の制作を通して一体どのような人間的成長を遂げていくのか、そして村林さんが襖絵に魂を吹き込んでいくその過程を、カメラを通して見続けていこうと思っている。
これからちょこちょことその制作の進展状況なども含めてレポートしていくので、どうぞお楽しみに。
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by yoshida-akihito | 2012-02-29 21:01 | 退蔵院ふすま絵プロジェクト


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