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2013年 10月 29日

壽聖院編19 『終わりに。そして始まりに向けて』

僕と村林さんとで交互連載の形で18回に渡ってお送りしてきた、『壽聖院編レポート』も今回で最後になりました。
今日は『終わりに。そして始まりに向けて』と題して、僕と村林さんでこの『壽聖院編レポート』を振り返りつつ、僭越ながら皆さんにメッセージを送らせて頂きたいと思います。



『終わりに。そして始まりに向けて』


この度、壽聖院・本堂の襖絵完成というひとつの区切りを迎え、写真家・吉田亮人さんと共にこのレポート・ノートに書き留められたこと、本当にありがたく感じています。

私自身のことを言うと、これまで制作過程の裏側というのはあまりお話できずにいました。
すぐには言葉にできなかったり、まずは絵にして想いを実らせたいといった想いから、出会いや感動も葛藤も心の中に留めて、それを大きな糧にしていました。

2年半の間にあったかけがえの無いエピソードや感謝の想いは、もっともっと山のようで語り尽くせません。

けれど、今回のお話でその一端の内からでも、創造の過程や、人と人とが向き合う姿、ぬくもり、生きる力など少しでも感じていただけましたら本望です。

吉田さんとは、出会ってから約1年半が経ちました。
その間、吉田さんが撮影されたプロジェクトのお写真は既に2万枚にも及ぶそうです。
きっとそこにはお互いの変化が軌跡となり重ねられていて、今後も変わり続けるのだと思います。

まだまだ先の長いプロジェクトとなりますが、みなさまには引き続き温かく見守っていただけますと幸いです。
いつかまた沢山の方と笑顔で素敵な時間を過ごせますよう、私も今を精進して参ります。

長くなってしまいましたが…、
最後迄ご覧いただき、本当にありがとうございました。

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退蔵院・絵師 村林由貴
 



あれは9月中旬くらいだっただろうか、鴨川を自転車で駆けながら仕事へ向かっていると、電話が鳴った。村林さんからだった。

「吉田さん、今大丈夫ですか?あの、吉田さんがこの前送ってくれた撮影レポートあるじゃないですか。あれ読んで、私も裏・撮影レポート書こうと思ったんですが・・・」

壽聖院の襖絵を完成させた区切りとして今ここで制作過程を振り返り、自身の感情や制作する過程で起こった出来事をまとめ、見守って下さる多くの方にお知らせしたいとの村林さんの想いからだった。

「おお、それ面白い!俺もそれ読んでみたいわ~!」

ということで、村林さんのその提案はすぐに実行に移される事になり、早速レポートのやり取りが始まった。
村林さんと僕との2つの視点で襖絵制作の過程をあぶり出す作業は思った以上に楽しい作業だった。
それと同時にスリリングな作業でもあった。
自分自身の姿が村林さんにどう映っていたのかをここで改めて知る事ができたからだ。
彼女から送られてくる文章を読む度に、ああ、こういう風に感じてたんだなと嬉しくなったり、反省したり、様々な感情が僕の中を駆け巡った。

文章もそうだが、毎回彼女から送られてくるイラストを見るのもとても楽しみだった。
彼女のメッセージは全て絵の中に込められていたと言っても過言ではない。
あぁ、この人の「言葉」は絵なんだなとイラストを見る度に思った。

村林さんがその「言葉」に込めたメッセージは「感謝」だった。

「このプロジェクトは色んな人の支えと想いがあってはじめて動いています。私はそれを最後のアンカー役として受け取って、襖に絵を描かせてもらってるんです。」

そんな言葉を村林さんの口から何度か聞いたことがある。
彼女はそのことを常に念頭に置きながら誰よりも一番重く受け止め襖に向かっているのだろう。
だから孤独な表現の世界での闘いに妥協もしないし、負ける事もない。
自分が多くの人の想いに支えられて絵が描けることを村林さんは本当に身に沁みるほど理解しているのだと思う。


襖絵プロジェクトはこれからいよいよ第二ステージへと向かう。

「どんなん描くか、私もまだ分かりません」

と言っていた村林さん。
村林さん自身もまだ見えていない光景がこれからどのように立ち上がってくるのか、僕は写真を通して引き続き見つめていきたい。
そして、その光景の一部を見守って下さる皆さんにもお裾分けできたらいいなと思っている。

ひとまず、壽聖院編のレポートはこれで終わり。
お付き合い下さった皆さん、本当にありがとうございました。
そして引き続き、退蔵院編の「撮影レポート」もレポートしていくのでお楽しみに。


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壽聖院襖絵完成後の2013年9月11日、稲刈りへ。
5月に植えた稲苗達が育ち、見事な穂を実らせていた。

吉田亮人


皆さん『壽聖院編レポート』に最後までお付き合い下さってどうもありがとうございました。
そしてこれからも襖絵プロジェクトの応援の方、どうぞよろしくお願い致します。

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by yoshida-akihito | 2013-10-29 12:00 | 退蔵院ふすま絵プロジェクト


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